「守られる」とは

　「あなたがたは、信仰により、神の御力によって守られて
　　　おり、終わりのときに現わされるように用意されている
　　　救いをいただくのです。」　　Ⅰペテロ１章５節


　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　教会の中で使われるいわゆるキリスト教用語の中に、「守られる」ということばがあります。「この集会が守られるように」「きょうもお守りください」等々、お祈りの中にもよく出てきます。
でも、その意味内容はと言うと、案外「何の問題や試練もなく、平穏無事に」というような程度のことを指していることが多いのではないでしょうか。
　実は、冒頭の聖句のすぐ後には、「そういうわけで、あなたがたは大いに喜んでいます。
いまは、しばらくの間、さまざまの試練の中で、悲しまなければならないのですが、……」と記されています。
「そういうわけで」とは、「神の御力によって守られて」いることが前提とされているわけで、その上で、さまざまの試練や悲しみのことが取り上げられているのです。
つまり、「守られる」ということと、「問題や試練、悲しみ」は、決して無関係というわけではないのです。
つまり、ここで大切なことは、聖書が言っている「守られる」とは、「どんな問題や試練や悲しいことが現実に起こったとしても、決して奪い去られない本当の『平安の中に守られる』」ということなのです。
　「何も思い煩わないで、あらゆるばあいに、感謝をもってささげる祈りと願いによって、あなたがたの願い事を神に知っていただきなさい。
そうすれば、人のすべての考えにまさる神の平安が、あなたがたの心と思いをキリスト・イエスにあって守ってくれます。」ピリピ４：６～７

　牧師　鳥居　完次