7月14日説教要旨 |
~先主日の礼拝メッセージ要旨~
真に役に立つ者となる <ピレモン4~20>
牧師 鳥居 完次
<ピレモン>は、パウロ書簡の中で最も短く、個人的なものである。手紙の趣旨は、ピレモンの奴隷であったオネシモを、元の主人ピレモンの許に送り届けることであった<12>。
1.オネシモ自身の劇的変化と成長。オネシモは、主人ピレモンの金を盗み出し、ローマへの逃亡資金とした。詳しい経緯は分からないが、そのローマで獄中のパウロと出会い、パウロを通して福音に接し回心した<10>。まさにオネシモはその名(「有益な」「役に立つ」)にふさわしく、真に神にとっても人にとっても役に立つ者となったのである。ここに、パウロ、ピレモン、オネシモというキリストご自身を所有者とするキリストの弟子集団ができた。
2.パウロ、ピレモン、オネシモのキリストの弟子集団に期待されていること。それこそ、弟子集団の成長である。大切なことは、師匠であるキリストが一人一人を主にあって成長させたいと願っている思いに、いかに素直に且つ自発的に応答できるかである。その意味では、パウロが獄中で生んだオネシモの変化成長はその模範であり、そのオネシモを兄弟として迎えることによって、ピレモンもこのキリストの弟子集団の素晴らしい交わりに加わって欲しいとパウロは訴えている<16>。言い換えると、「オネシモは、確かに真に神と人とに役に立つ者になっている。変えられ成長している」ことを、パウロがピレモンに太鼓判を押しているということである。ピレモンとオネシモの(主にある兄弟同士の)お互いの間に、築かれるであろう良い行いを自発的にし合う生き生きとした信仰の交わりの情景を<6>、パウロは思い浮かべていたのであろう。私たちも、お互いにそのような交わりを築いていきたい。