2月3日説教要旨 |
「パウロの行動」(使徒の働き25章1節~12節)
牧師 紺野 真和
使徒の働き24章と25章にはカイサリアで行われたパウロの二つの裁判が記されている。パウロを訴える祭司長たち、裁判官であるローマ総督、そしてパウロの行動の動機を見る。祭司長たちは何としてでもパウロを抹殺しようとした。その思いは二年という年月パウロが幽閉されたままでも変わらなかった。なぜパウロを殺すことに固執したのか。当時、ユダヤ教の分派であると思われていたクリスチャン達はどんどん増えて行った。祭司長たちにとってクリスチャン達は脅威であった。彼らは自分たちを守るために、分派の首謀者であるパウロを抹殺しようとしたのである。裁判官であるローマ総督は、自分が出世するためには、ユダヤ人たちをしっかりと治める必要があった。ユダヤ人から好意を受けるためにパウロを監禁し続けた。ローマ総督は自分の得を求めて動いた。彼らに対してパウロは。パウロは裁判の時にカエサルに上訴した。彼はイエス様の御心は自分がローマで福音を伝える事であることを知っていた。パウロは神様の御心の実現を求めてカエサルに上訴したのである。私たちの行動の源は何であるか。
パウロはどのようにしてカエサルに上訴する道を選んだのか。イエス様からその方法を教えられたわけではないだろう。パウロは、ユダヤ人の機嫌を取ることを求めるローマ総督の許にいれば、ずっと幽閉されたままであると考えたであろう。仮に釈放されても、自分の命を狙っているユダヤ人が大勢いる中では、ローマに行くことは難しいと考えたであろう。色々考える中で、彼はローマ市民に与えられているカエサルに上訴する権利を行使することに決めた。パウロは御心の実現のために、自ら考え、決断し、行動したのである。