8月13日説教要旨 |
牧師 鳥居 完次
<ヨブ>は<創>よりも古いという人がいる。ともかくも、ヨブはアブラハムと同じ族長時代の人であり、そこには人類の罪の歴史で普遍的な問題、「苦難」が取り上げられている。
1.ヨブの心の平和を脅かす苦難<1~2章>。人もうらやむほどのまことに平和な生活があった。しかし、ヨブの身の上に、人災、天災、病気という災いが次々と襲った<1:13~19、2:7~9>。それにしても、私たちは<ヨブ>から驚くべき情報を得ている。サタンが神に願い出てヨブを打つことになったという事実である<1:6~12、2:1~6>。その意味で、この場合明らかにヨブは、標的を間違えた。神を敵に回し、訴え続けたのである<19:11、21>。
2.ヨブの心の平和を脅かす苦難からの解決策。①ヨブの友人たちとのやりとり。ヨブを慰め励ますために、友人たちは次々にことばを浴びせた<4~37章>。「さあ、あなたは神と和らぎ、平和を得よ」と迫り<22:21>、「さあ、まだ告白していない罪を素直に白状せよ」とまくし立てた。しかし、それでもヨブは心の深いところでは納得できず、苦難の意味を神に問い続けた。そして、ついに②あらしの中からの主の声を聞く<38章以下>。ここに至り、ヨブは自分の自己中心がそぎ落とされ、ついに心に神との平和が実現した<42:5~6>。実は、これこそが、今や私たちには、主の十字架と復活の贖いのみわざによる神との平和の道であり、驚くことにヨブは先取りしていた<19:25>。とは言え、今日私たちの平和を脅かすすべての苦難に、完全な説明ができるわけではない。それはヨブの時代と全く同じ。故に、主の前にますます自らをへりくだり、主にあって神との真の平和の道を築いていきたい。